人と人とをサービスで繋ぐベテラン受託ディレクター | ディレクター名鑑#004 合志建彦さん

こんにちは!ディレ協広報部です。
今回は受託業務歴約20年のベテランディレクター、合志建彦(ごうし たけひこ)さんをご紹介します。
この記事では合志さんに、長年の経験で培った「クライアントとの信頼関係の築き方」や「想いとサービスを伝えることへの情熱」などを語って頂きました。受託業務に悩みを抱えるディレクターが、新しい視点を発見できるかもしれない…そんなインタビュー記事となりました。

合志 建彦さんのプロフィール

サムネイル_合志さん

株式会社マックグラフィックアーツ
ディレクター

兵庫県出身、神奈川県在住。高校生と小学生の2児のパパ。
1998年、新卒で入社した洋菓子製造メーカーを【寿退社】し、IT業界へ。WEBデザイナーとして、デザイン・コーディングを始めとしたWEB制作業務を行う。2002年ごろからディレクター職を担当。以来、一貫して受託での制作業務に携わる。

著書(共著):『Webディレクションの最新常識』(エムディエヌコーポレーション)

受託制作に20年身を置くパパディレクター

──自己紹介と、現在のお仕事について教えてください。

家庭でパパ業をしつつ、神奈川の端から都心まで毎日2時間かけて通勤してます。週末はバンド活動したり、子供とポケモン対戦したり、料理作ったりしてます。

この業界には20年近くいまして、最初はWEBデザイナーでした。当時はまだディレクターという職域が無くて、対クライアント業務から簡単なCGIやPHP、サーバ構築などもすべて「WEBデザイナー」が行うような時代でしたね。

抱える案件が大型化していき、半ば必然的に現場の進行役を担っていたら、いつのまにか「ディレクター」と呼ばれていました(笑)。今日まで、一貫して受託での制作業務に携わっています。

クライアントを巻き込んだワークショップ

──合志さんの強みを教えてください!

強みというわけではありませんが、プロジェクトが社内外含めた共同作業になるようにいつも気は配っています。クライアントの期待値とアウトプットが乖離しないよう、たとえばクライアントと共に作業のワークフローを作る。ワークショップしながらサイトの目的を決めていく。そういうチームビルディングも心掛けながらプロジェクトを進めています。

世の中にはいろんなニーズがあり応えるサービスがあり、サービスに命をかけている人たちがいる。僕は1人では何もできませんが、そんなクライアントの想いに共感し、お手伝いしたいと思ったら、もう迷わず突き進めるのかもしれません。そんな想いにクライアントやチームの気持ちも巻き込んで、ディレクターとして誠心誠意彼らの期待に応え通すだけです。

信頼関係を築けるクライアントとは

──どんな案件でもクライアントを巻き込んだチーム作りをしているのでしょうか。

今は会社としても、チームを組めるクライアントとの仕事を重視するようににシフトしつつありますね。
あるいは、チームを組めるよう信頼関係を築く。その上でグループワークなどを行い、調査・検証フェイズの結果から企画提案する。意識してそう進めています。

もちろんどんな相手ともすんなりいくわけではありません。「発注側」と「受託側」を完全に線引する文化のところはあって、基本的にそういう相手との仕事は減らしていきたい方針です。
だってクライアントの言いなりになって、良い結果が出ることなんてないでしょ(笑)。そういう場合、先方の担当だって上司に言われたことに「これでいいのかなあ」って思いながら「上が言うのですいませんがこっちにしてください」って返してくる、みたいな事態になりますよね…。

自分たちができないことをプロに依頼している」って認識を持ってくれてる人たちとはいい共同作業ができて、いいものが作れる。こちらも全身全霊で応えなくては、と気合が入ります。マックグラフィックアーツの方針としてもそういうお客さんを増やして、継続的に価値を提供して、継続的に仕事をいただける関係性を作っていく、というのがありますね。

ユーザ調査から提案する、クライアントを巻き込んだ企画作り

──具体的には、どうやってクライアントを巻き込んでいくんですか?

たとえば、最近担当したあるサイトリニューアルのコンペでは、最初からリニューアル像の提案はしませんでした。調査・検証をしてからその結果に基づいた改善提案を立てます、ってやり方を提案して受注したんです。

そこの担当さんとは、受注後3ヶ月位毎週顔を合わせて、一緒にそのサービスを利用しているユーザに取材に行ったり、インタビューしたり、その結果をまとめてワークショップしたりしてます。

ただ、他のコンペチターがリニューアルの具体像を持ってくる中、自分たちだけ「調査しましょう!」から提案するのはとても勇気がいります。クライアント側の担当者だって具体的なものがあった方が社内に通しやすいし、第一そこだけで何百万、て金額がかかるわけですから。

――勇気がいるのに、なぜ、あえて調査・検証を含むを提案をするようになったのでしょうか。

提案がどんな形だろうが、その時点では「うまくいくだろうという仮説」に過ぎないんですよね。で、じゃあ同じ「仮説」なら、きちんとユーザ調査して問題を洗い出してからのほうが確度が上がると、僕は考えています。
だから、そこを理解してもらえるよう提案して、相手に対価を払う価値を感じてもらって…そういう関係を築ける相手と仕事をしていきたいと思うんです。

一昔前まで受託と言えば、「クライアントが望むままのものを作る」イメージだったかもしれません。しかし、最近はむしろ僕たちのような提案を欲するクライアントが増えていると感じています。受託ディレクターに求められる方向が変わってきているんです。

ディレクターは、人から人へ「サービス」を伝える仕事

──ディレクターの仕事は、どうして変わってきているのでしょうか。

今の時代は、技術があれば売れるというものではなくなってきています。
たとえば、機能重視でやってきた大手家電メーカーが次々に不審に陥っています。テレビにしたって、技術を妄信してユーザが何を求めているか目を向けていないから、一家団欒が減りつつある時代に3Dや4Kを推し出して、コケてますよね。

エスノグラフィー調査って知ってますか。文化人類学の調査手法で今絶賛勉強中なんですけど、つまり街に出て、利用シーンのシナリオを理解しないとほんとうに有用なサービスは提供できないっていうことです。
今はやりの「UX」をやっていると、行き着くところですね。

僕は、あらゆるものは、人の想いが介在するサービスだと思うんです。
眼鏡は、視界を良くするサービス。
コップは、おいしく液体を飲めるようにするサービス。
お酒は、仲間と楽しい時間を共有させてくれるサービス。
つくり手が、使い手に対して、「サーブ」するもの。
そういう想いを汲みとって、人と人との間に入ってつなげて、伝えてあげるのが、僕らディレクターの仕事だと思います。

「学び」と「人とのつながり」を大切にし続ける

──最後に、記事を読む人へメッセージをお願いします!

今は「UX」が大きく取りざたされていますが、また何年かしたら新しいキーワードが出てくるのではと考えています。AIは急激に発展しているし、VRもどんどん進化してますし、UIデザインも激変しそうですよね。

時代が変化するからこそ、好奇心を持って常に学び続けることと、人と人とのつながりが大事なんだと思います。社内外の仲間とアウトプットとダメ出しを繰り返し、認め合って信頼関係を築いていく。さらにクライアントとも、となれば最高です。

良いサービスを届けたい!ってクライアントがいる限り、ディレクターとして応え続けたい。そのために、新しい学びや人との出会いを大切にしていきたいと思ってます。

──合志さん、ありがとうございました。

本記事を通じて、ディレクターの存在意義を改めて実感したように思います。合志さんの手法をもっと知りたい、仕事を依頼したいという方は、ぜひ上のリンクから連絡をお取りください!

それでは、次回のディレクター名鑑もお楽しみにー!